遺品整理業者の選び方(費用の考え方・許可・トラブル例)

最終更新:運営:株式会社リヤン(運営者情報)出典の確認日:2026年10月25日

結論:気持ちの整理がつかないうちに、急いで業者を決める必要はありません。ただし、相続放棄(自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に家庭裁判所に申述)や準確定申告(申告が必要な場合、知った日の翌日から4か月以内)など期限のある手続きがあるため、処分を始める前に捨ててはいけないものを分けておきます。
遺品整理を業者に頼むときは、①遺品を廃棄物として運ぶ業者が市町村の委託業者か、市町村長の一般廃棄物収集運搬業の許可を受けているか、②遺品を買い取る業者に古物商許可があるか、③作業前に見積書を出すか、を確認します。国民生活センターは、残す遺品と処分する遺品を明確に分け、作業にはできるだけ立ち会うよう呼びかけています。

お住まいの市区町村での出し方・相談先は、地域から探すで確かめられます。

遺品整理の費用の考え方

公的機関や業界団体が公表した遺品整理の費用の統計は確認できなかったため、このページでは金額の目安を載せていません。費用は主に次の要素で変わります。

  • 物の量と間取り:運び出す量(トラックの台数や容量)が多いほど高くなります。
  • 仕分けの手間:残す物・形見分けする物・処分する物を業者が分ける場合は、その作業も費用に含まれます。
  • 搬出の条件:階段、エレベーターの有無、トラックを止められる場所までの距離など。
  • 家電4品目:エアコン・テレビ・冷蔵庫/冷凍庫・洗濯機/衣類乾燥機は、リサイクル料金と収集運搬料金がかかります(家電4品目の処分方法)。
  • 買取:値段が付く物があれば、処分費から差し引かれる場合があります。買取額と処分費は分けて書いてもらいます。

国民生活センターには、電話で依頼して当初20万円ぐらいかかると聞いていたのに作業後に30万円と言われ、見積書をもらっていなかったという相談が寄せられています(トラブル例)。金額は必ず作業前に書面で確認してください。不用品回収業者の公式サイトの料金表示(トラック・間取り別)は不用品回収の料金相場にまとめていますが、遺品整理は仕分けなどの作業が加わるため、そのまま当てはまるとは限りません。

遺品整理で捨ててはいけないもの

処分を始める前に、次の物を探して分けておきます。相続の考え方は家族の事情で変わるため、迷うときは処分する前に専門家に相談してください。

遺品整理で捨ててはいけないもの
物理由・手続き出典
遺言書遺言書を保管している人や見つけた相続人は、遺言者の死亡を知った後、遅滞なく家庭裁判所に提出して検認を請求しなければなりません。封印のある遺言書は、家庭裁判所で相続人等の立会いのもとで開封します。公正証書による遺言と、法務局で保管されている自筆証書遺言について交付される「遺言書情報証明書」は、検認の必要がありません裁判所「遺言書の検認」(新しいタブで開きます)
財産的な価値がある物相続人が相続財産の全部または一部を処分したときは、単純承認をしたものとみなされます(保存行為などの例外あり)。相続放棄は、自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に家庭裁判所に申述する必要があります民法(新しいタブで開きます) 第921条/裁判所「相続の放棄の申述」(新しいタブで開きます)
税の手続きに使う書類亡くなった方の確定申告(準確定申告)は、相続人等が、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に行います。所得や控除の書類はすぐに処分しないでおきます国税庁 No.2022(新しいタブで開きます)
写真・アルバムなど残したい物残すはずだったアルバムや電話機まで処分され、すでに処理場に運ばれて取り戻せなかったという相談事例があります。残す物は、作業の前にはっきり分けておきます国民生活センター 第525号(新しいタブで開きます)

いずれも2026年10月25日に確認。遺言書の検認と相続の放棄は裁判所、準確定申告は国税庁のページで手続きが案内されています。相続人どうしの話し合いや、賃貸住宅に残された家財の扱い、費用を誰が負担するかは事情によって異なるため、弁護士・司法書士・税理士などの専門家に相談してください。

仏壇・位牌・神棚の扱いは仏壇の処分方法・位牌・神棚・仏具の処分方法にまとめています。

依頼の時期と流れ

遺品整理をいつ行うかは家族の事情で決めてかまいませんが、期限のある手続き(相続放棄の申述は3か月以内、準確定申告は4か月以内)と、賃貸住宅の場合は明け渡しの時期を先に確認しておくと、作業の日程を決めやすくなります。

  1. 家族で残す物を決める:遺言書・貴重品・手続きの書類・思い出の品を先に探し、残す物と処分する物を明確に分けます。
  2. 複数の業者に見積もりを頼む:作業内容や料金は事業者によって様々なため、複数の事業者から見積もりを取って比べます。
  3. 見積書と契約の内容を確認する:作業日、作業内容、料金、支払方法、解約料と、作業中に追加料金がかかる条件を確認します。
  4. 許可を確認する:遺品を運ぶ業者の許可(または市町村の委託)と、買い取る業者の古物商許可を確認します(次の節)。
  5. 作業に立ち会う:大切な遺品を誤って処分されないよう、作業はできるだけ立ち会います。
  6. 支払い:作業当日に予定外の請求を受けるなどして事業者とトラブルになったときは、すぐに消費生活センター(消費者ホットライン「188」)に相談できます。

出典:国民生活センター 見守り新鮮情報 第525号(2025年10月30日)(新しいタブで開きます)/国民生活センター(2018年7月19日公表)(新しいタブで開きます)(いずれも2026年10月25日確認)

一度に多く出るごみの自治体の案内の例

札幌市は、引越しや遺品の整理などで400リットルを超えるような一時的に多量のごみを一度に処理する場合は、市の許可業者の(一財)札幌市環境事業公社に依頼するよう案内しています。また、アパートなどの賃貸住宅で入居者が退去した後に残されたごみを家主や管理会社が処理する場合は「事業ごみ」になるとしています。

出典:札幌市「引越しや遺品の整理などで一時的に多量に出るごみの処理について」(新しいタブで開きます)(2018年10月5日更新・2026年10月25日確認)

業者の選び方(許可・遺品整理士・見積書)

国民生活センターは、産業廃棄物処理業や古物商の許可では家庭の遺品整理で捨てるごみは運べないと説明しています。「遺品整理士」などの資格の有無とは別に、市町村の許可(または委託)を確認してください。

遺品整理業者を選ぶときの確認点
確認すること内容確認の方法
遺品を運ぶ許可遺品や不用品を廃棄物として収集・運搬する事業者は、市町村の委託業者か、市町村長から一般廃棄物収集運搬業の許可を受けている必要がある業者に許可を出した市区町村と許可番号を聞き、市区町村の窓口で確認する
買取の許可遺品を買い取る事業者には古物商の許可が必要「古物商許可証」や「行商従業者証」を見せてもらう
ほかの許可・資格家庭での遺品整理で捨てるごみは一般廃棄物にあたり、産業廃棄物処理業や古物商の許可では運搬できない(国民生活センター)「遺品整理士」などの資格の有無とは別に、市町村の許可(または委託)を確認する
契約の相手横浜市は、不用品を出す人と一般廃棄物収集運搬業の許可業者が直接契約する必要がある(遺品整理業者にこの契約を委任することは可能)と案内見積書に、実際に運ぶ業者の名称と許可が書かれているか確認する
見積書作業内容と費用を明確に出してもらい、料金・キャンセル料・具体的な作業内容を事前に確認する見積書の内容を十分に確認し、複数の事業者の見積もりを比べる

出典:国民生活センター 第525号(新しいタブで開きます)/国民生活センター(2018年7月19日公表)(新しいタブで開きます)(報告書本文PDF(新しいタブで開きます))/横浜市「遺品整理や家の片付けを業者に依頼する際の注意点」(新しいタブで開きます)(2024年9月27日更新)(いずれも2026年10月25日確認)

横浜市は、無許可の業者による不用品の処分は法律違反だとし、無許可の業者が回収した不用品の不法投棄や、有害物質の放出、火災の事例が報告されていると注意を呼びかけています。許可の種類と確認の手順は不用品回収に必要な許可と確認方法、買取を同時に頼むときの注意は買取もできる不用品回収で説明しています。

遺品整理業者のエリア別の探し方

掲載業者について

当サイトは、家庭の不用品を回収できる許可(または市区町村の委託)を確認できた業者だけを掲載します。2026年10月31日現在、掲載業者は0社で、掲載基準を満たす業者を確認中のため、このページには業者の比較表を置いていません。掲載の条件は評価基準と掲載基準をご覧ください。業者に頼むときは、業者の選び方(依頼前のチェックポイント)の順に確かめてください。

遺品を運び出すときの許可の扱いや、一度に多く出るごみの出し方は、市区町村ごとに違います。故人の住まいがあった地域のページで、その自治体の案内を確認してください。

地域の一覧で出し方と業者の確かめ方を見る

悪質業者のトラブル例

国民生活センターが公表した遺品整理のトラブル例
公表元(公表日)内容(要旨)
国民生活センター 見守り新鮮情報 第525号(2025年10月30日)亡くなった父の遺品整理をインターネットで探した業者に電話で頼んだところ、当初20万円ぐらいかかると聞いていたのに作業後に30万円と言われた。見積書はもらっていなかった。/残すはずだったアルバムや電話機まで処分され、苦情を言ったが、すでに処理場に運ばれていて取り戻せないと言われた。
国民生活センター(2018年7月19日)遺品整理サービスに関する相談は2013年度73件、2017年度105件。見積もりの際にせかされて契約したが作業が始まらない、解約を申し出たら高額なキャンセル料を請求された、作業時に予定外の料金を請求され最終的に見積金額の2倍の費用を請求された、処分しないよう頼んだ物を処分された、などの事例を紹介

出典:国民生活センター「遺品整理を頼むときは、事業者選びは慎重に」(新しいタブで開きます)/国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル」(新しいタブで開きます)(報告書本文PDF(新しいタブで開きます))(いずれも2026年10月25日確認)

困ったときは、早めに消費者ホットライン「188」(お住まいの地域の市町村や都道府県の消費生活センター等を案内する全国共通の番号)に相談してください。高額請求の手口と対処は悪徳な不用品回収業者の見分け方にまとめています。

よくある質問

遺品整理士がいる業者なら、許可は確認しなくてもいいですか?

いいえ。国民生活センターは、家庭での遺品整理で捨てるごみは一般廃棄物にあたり、市町村から委託を受けた事業者か、市町村長から一般廃棄物処理業の許可を受けた事業者でなければ運搬できない(産業廃棄物処理業や古物商の許可では不可)と説明しています。資格の有無とは別に、遺品を廃棄物として運ぶ業者の許可(または委託)を確認してください。

遺品を処分すると、相続放棄ができなくなりますか?

民法は、相続人が相続財産の全部または一部を処分したときは単純承認をしたものとみなすと定めています(第921条。保存行為などの例外あり)。どの行為が処分にあたるかは事情によるため、相続放棄を考えている場合は、遺品を処分する前に家庭裁判所の手続案内や弁護士・司法書士などに相談してください。相続放棄の申述は、相続の開始があったことを知ったときから3か月以内です。

見積もりは何社から取ればいいですか?

国民生活センターは、作業内容や料金は事業者によって様々なため、必ず複数の事業者から見積もりを取り、契約内容や料金を比べるよう呼びかけています。見積書は書面でもらい、作業中に追加料金がかかる条件も確認してください。

次にすること(残す物を分けてから、地域で確かめる)

急いで業者を決める必要はありませんが、期限のある手続きがあるため、処分を始める前に捨ててはいけないものを分けておきます。

地域のページで出し方と業者の確かめ方を見る