実家じまいの手順と費用(相続・片付け・売却・解体)

最終更新:運営:株式会社リヤン(運営者情報)出典の確認日:2026年10月25日

結論:実家じまいで最初にやることは、誰が実家を引き継ぐか(相続人と遺言の有無)を確かめ、期限のある手続きを把握することです。不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内の相続登記は、令和6年4月1日から法律上の義務です(法務省)。そのうえで、残す物を分けて家財を片付け(家庭の残置物は一般廃棄物で、市町村の指定する方法か、市区町村の許可・委託を受けた業者で処理)、売る・貸す・解体するを決めます。費用は片付け・解体・税金に分かれ、片付けと解体には公的な相場がないため書面の見積もりで、税の特例や補助は国税庁・市区町村の案内で確かめます。

お住まいの市区町村での出し方・相談先は、地域から探すで確かめられます。

このページでは、親が住まなくなった実家を、片付けて売却・賃貸・解体などで手放す(または管理を終える)までの一連の作業を「実家じまい」と呼んでいます。親が住んでいる間の片付けは実家の片付け方、誰も住まなくなった家の家財の片付けは空き家の片付け、遺品の仕分けは遺品整理業者の選び方で詳しく説明しています。

実家じまいとは(意味・やること)

国土交通省は、空き家の発生原因は半分以上が相続によるものとし、使用目的のない空き家は平成15年の212万戸から令和5年の386万戸へ、20年間でおよそ2倍に増えたとしています。親が住まなくなった実家をどうするかは、多くの場合、相続と一緒に考えることになります。実家じまいでやることと、主な相談先は次のとおりです。

実家じまいでやることと相談先
やること内容・期限主な相談先
相続人と遺言の確認誰が実家を引き継ぐか。遺言書の扱いや相続放棄には期限や手続きがある(遺品整理で捨ててはいけないもの)家庭裁判所の手続案内、弁護士・司法書士
相続登記不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内(令和6年4月1日から義務)法務局、司法書士
家財の片付け残す物を分け、家財は市区町村の指定する方法か、許可(または委託)を受けた業者で処理市区町村の清掃(ごみ)担当
住まいの方針売る・貸す・解体する・当面管理する市区町村の空き家の窓口、不動産事業者
税金売ったときの譲渡所得、相続した空き家の特例、固定資産税税務署、税理士

出典:国土交通省「空き家対策 特設サイト」(新しいタブで開きます)/法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」(新しいタブで開きます)(いずれも2026年10月25日確認)

実家じまいの手順(相続→片付け→売却・解体)

  1. 親の希望を聞いておく:親が元気なうちに、住まいをどうしてほしいかを聞きます。国土交通省は、住まいの情報と将来の希望を書き残せる「住まいのエンディングノート」を、日本司法書士会連合会・全国空き家対策推進協議会と共同で作成しています(令和6年6月公表)。
  2. 相続人と遺言を確かめる:相続が始まったら、相続人と遺言書の有無を確かめます。遺品の処分と相続放棄の関係には注意が必要です(遺品整理で捨ててはいけないもの)。
  3. 相続登記をする:不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に相続登記をします。令和6年4月1日より前に相続した不動産も、登記されていなければ対象で、令和9年3月31日までに登記する必要があります。正当な理由なく義務に違反した場合の過料は10万円以下(具体的な額は裁判所が決める)とされています。遺産の分け方が決まらないときは、自分が相続人であることを期限内に登記官に申し出る「相続人申告登記」で義務を履行できます(申し出た相続人だけが義務を果たしたことになります)。
  4. 家財を片付ける:残す物を分けてから、家財を実家のある市区町村のルールで処分します。手順は空き家を片付ける手順、親とのやりとりは親とのトラブルを防ぐコツをご覧ください。
  5. 売る・貸す・解体するを決める:国土交通省の特設サイトでは、空き家を売る前に専門家に建物の状態を調べてもらう「インスペクション」、自治体の空き家バンク、賃貸として活用する制度などが紹介されています。解体する場合、床面積80平方メートル以上の建築物の解体工事は、工事着手の7日前までに発注者から都道府県知事への届出が必要です(建設リサイクル法)。
  6. 引き渡し・管理の終了:売却・賃貸・解体のどれでも、家財が残っていないか、電気・ガス・水道などの契約をどうするかを確かめます。すぐに決められない場合は、空き家として適切に管理します。

出典:国土交通省「住まいのエンディングノート」(新しいタブで開きます)/法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」(新しいタブで開きます)/国土交通省「空き家やその敷地を売る・貸す際に活用できる制度」(新しいタブで開きます)/環境省「建設リサイクル法の概要」(新しいタブで開きます)(いずれも2026年10月25日確認)

実家の仏壇・位牌・神棚の扱いは仏壇の処分方法・位牌・神棚・仏具の処分方法にまとめています。

費用の目安(片付け・解体・税金)と補助金

実家じまいの費用の種類と調べ方
費用目安・決まり方調べ方
家財の片付け公的な統計はない。当サイトが調べた不用品回収業者の公式サイトの料金表示(税込)は、2tトラック1台分(2DK前後)34,800円〜69,800円(6サイト)。3DK以上・一軒家などは「要相談」「現地確認後のお見積もり」とする表示(金額の表示なし・5件)現地を見たうえでの書面の見積もり(空き家の片付け費用)
解体公的な統計は確認できず。建設リサイクル法の対象工事では、請負契約に解体工事に要する費用や再資源化等に要する費用を明記することが求められる解体業者の書面の見積もり。家財は解体の前に処理しておく
相続登記登記の申請にかかる費用は、法務局・司法書士に確認する法務局、司法書士
売ったときの税金相続した空き家を一定の要件で売ると、譲渡所得から最高3,000万円(令和6年1月1日以後の譲渡で相続人が3人以上の場合は2,000万円)を控除できる特例がある(令和9年12月31日までの売却など)国税庁 No.3306、税務署・税理士
持っている間の税金住宅が建っている土地は固定資産税の住宅用地特例(小規模住宅用地は課税標準が6分の1、一般住宅用地は3分の1)があるが、管理不全空家・特定空家として勧告を受けると受けられなくなる市区町村の空き家・税務の担当

片付けの料金は、当サイトが不用品回収業者の公式サイトの料金表示を調べたものです(調査日:2026年10月22日。集計した表示は2026年10月25日に各公式サイトで再確認。不用品回収の料金相場)。多くは「〜」付きの下限の表示で、調べた業者は当サイトの掲載業者ではなく、推奨でもありません。

出典:環境省「建設リサイクル法の概要」(新しいタブで開きます)/国税庁 No.3306「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」(令和8年4月1日現在法令等)(新しいタブで開きます)/国土交通省「空家法とは」(新しいタブで開きます)(いずれも2026年10月25日確認)

補助金

国土交通省は、解体や改修には補助金や各種制度が使える場合があるため、まず市区町村のウェブサイトで確認するよう案内しています。家財の処分の費用を補助する市町村の例(島根県浜田市・福井県大野市。いずれも空き家バンクへの登録が条件)は空き家の片付けた後の選択肢にまとめています。補助は処分や工事の前に申請が必要な例があるため、契約の前に確かめてください。

出典:国土交通省「空き家対策 特設サイト」(新しいタブで開きます)(2026年10月25日確認)

家財の片付けを業者に頼む場合

掲載業者について

当サイトは、家庭の不用品を回収できる許可(または市区町村の委託)を確認できた業者だけを掲載します。2026年10月31日現在、掲載基準を満たす業者は0社のため、このページには業者の比較表を置いていません。掲載の条件は評価基準と掲載基準をご覧ください。業者に頼むときは、業者の選び方(依頼前のチェックポイント)の順に確かめてください。

環境省は、建築物の解体・リフォーム工事の際に残された家具・家電などの「家庭の残置物」は一般廃棄物で、工事の前に建物の所有者や占有者が、市町村に相談のうえ市町村の指定する方法で処理する必要があるとしています。解体業者や不用品回収業者など、市町村の一般廃棄物処理業の許可を得ていない業者が処理することは法律で禁じられており、「産業廃棄物処理業の許可」「解体工事業の許可」「古物商の許可」では一般廃棄物の処理はできないとしています。

出典:環境省「家庭の残置物の処理はどうしたらいいの?」(平成30年6月作成、PDF)(新しいタブで開きます)(2026年10月25日確認)

業者に頼むときの確認点です。

  • 実家のある市区町村の許可:業者の所在地ではなく、実家のある市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可(家庭系)か委託かを確かめます(不用品回収に必要な許可と確認方法)。
  • 見積もりと契約:複数の事業者から見積もりを取り、作業日・作業内容・料金・支払方法・解約料を確認します。
  • 残す物と立会い:残す物と処分する物を明確に分け、作業にはできるだけ立ち会います。遠方で立ち会えない場合の決めごとは遠方の空き家をご覧ください。
  • 買取:遺品を買い取る事業者には古物商の許可が必要です。買取額と処分費を分けて書いてもらいます。

出典:国民生活センター 見守り新鮮情報 第525号(2025年10月30日)(新しいタブで開きます)(2026年10月25日確認)

  • 家庭の不用品を回収できる許可(市区町村の一般廃棄物収集運搬業許可)か、市区町村の委託を受けているか。許可の自治体名と番号を聞く
  • 見積もりは作業前に書面(メール等)でもらい、追加料金が発生する条件を確認する
  • 「無料回収」「積み放題」は、無料・定額になる条件と対象外の品物を確認する
  • 家電4品目(エアコン・テレビ・冷蔵庫/冷凍庫・洗濯機/衣類乾燥機)のリサイクル料金と運搬料金の扱いを確認する
  • 買取がある場合は、買取額と処分費を分けた明細をもらう
  • キャンセル料・支払方法・作業日時を確認する

トラブルの相談先:消費者ホットライン「188」(最寄りの消費生活センター等につながります)

実家のある地域のページで出し方と業者の確かめ方を見る

売れない実家の選択肢

すぐに買い手が見つからない場合も、選択肢はいくつかあります。どれが合うかは建物と土地の状態、相続の状況で変わるため、空き家のある市区町村の窓口や不動産事業者、司法書士などに相談してください。

売れない実家の選択肢
選択肢内容・注意点
空き家バンクに登録する自治体が運営する登録制度で、買いたい人・借りたい人が物件を探して申し込める。全国の自治体の情報は「全国版空き家・空き地バンク」(株式会社LIFULL・アットホーム株式会社が運営)でも探せる
貸す住まい探しに困る高齢者などの入居を拒まない住宅として貸す「住宅セーフティネット制度」、専門機関に居住用住宅として貸す「マイホーム借上げ制度」、転貸を行う民間事業者に貸す方法などが紹介されている
解体して土地にする床面積80平方メートル以上の解体工事は事前の届出が必要。家財は解体の前に処理する
国に引き取ってもらう(相続土地国庫帰属制度)相続や遺贈で土地を取得した相続人が、一定の要件を満たすと土地を国に引き渡せる制度(令和5年4月27日開始)。建物がある土地、担保権や使用収益権が設定されている土地、土壌汚染されている土地、境界が明らかでない土地などは申請できない。審査手数料は土地一筆当たり14,000円(却下・不承認でも返還されない)。承認されると、10年分の標準的な管理費用を考慮して算定した負担金を納める
相続放棄を考える相続そのものをしない方法。期限があり、遺品を処分すると相続放棄との関係で問題になる場合があるため、処分の前に専門家に相談する(遺品整理で捨ててはいけないもの)

出典:国土交通省「空き家やその敷地を売る・貸す際に活用できる制度」(新しいタブで開きます)/国土交通省 空き家・空き地バンク総合情報(新しいタブで開きます)/環境省「建設リサイクル法の概要」(新しいタブで開きます)/法務省の相続土地国庫帰属制度の案内ページ(新しいタブで開きます)・「相続土地国庫帰属制度の概要(新しいタブで開きます)」(いずれも2026年10月25日確認)

当面どれも選べない場合は、空き家として管理を続けます。国土交通省は、庭木の手入れや換気を定期的に行うよう呼びかけ、適切に管理されていない空き家は「管理不全空家」として市区町村の指導の対象になり、勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例を受けられなくなるとしています。法的な相談先が分からないときは、法テラス・サポートダイヤル(0570-078374。平日9時〜21時、土曜9時〜17時)で法制度や相談機関を案内してもらえます(法テラス(新しいタブで開きます)、2026年10月25日確認)。

よくある質問

実家じまいは、何から始めればいいですか?

誰が実家を引き継ぐか(相続人と遺言の有無)を確かめ、期限のある手続きを先に把握します。不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内の相続登記は、令和6年4月1日から義務になっています。親が元気なうちなら、住まいをどうしてほしいかを聞いておくと、その後の判断がしやすくなります。

相続登記をしないとどうなりますか?

法務省は、正当な理由なく相続登記の義務に違反した場合、10万円以下の過料の対象になる(具体的な額は裁判所が決める)としています。令和6年4月1日より前に相続した不動産も、登記されていなければ令和9年3月31日までに登記する必要があります。遺産の分け方が決まらないときは「相続人申告登記」で義務を履行できます。

建物が建ったままの実家を、国に引き取ってもらえますか?

相続土地国庫帰属制度では、建物がある土地は申請できません。土地だけを引き渡す制度で、担保権が設定されている土地や境界が明らかでない土地なども対象外です。審査手数料(土地一筆当たり14,000円)と、承認された場合の負担金がかかります。詳しくは法務局に確認してください。

次にすること(実家のある地域で確かめる)

家財の片付けは、残す物を分けてから、実家のある市区町村の指定する方法か、許可(または委託)を受けた業者で処分します。

実家のある地域のページで出し方と業者の確かめ方を見る