実家の片付け方(何から始めるか・親との進め方・業者の費用)
結論:実家の片付けで最初にやることは、住んでいる親と、片付ける目的と範囲を話し合い、同意を得ることです。そのうえで、通帳・権利証・保険などの書類と、残したい物を先に分けてから、実家のある市区町村の分別・粗大ごみのルールで少しずつ出します。費用は、自分たちで出せば粗大ごみの手数料や処理施設への持ち込みの手数料が中心になり、量が多く業者に頼む場合は量と作業で変わります(当サイトが調べた不用品回収業者の公式サイトの料金表示では、軽トラック1台分(1K前後)が9,800円〜19,800円(税込・7サイト)。調査日:2026年10月22日、集計した表示は2026年10月25日に各公式サイトで再確認)。
お住まいの市区町村での出し方・相談先は、地域から探すで確かめられます。
このページは、親が実家に住んでいる、または住まなくなって間もない時期の片付けを扱います。誰も住まなくなった家の片付けは空き家の片付け、亡くなった親の遺品の整理は遺品整理業者の選び方、自分の持ち物の整理は生前整理の進め方をご覧ください。
実家の片付けはいつ・何から始める?(順番)
実家の片付けを始める時期に決まりはありませんが、親が元気で、何を残したいかを本人に聞けるうちに話し始めると、残す物を親自身が決められます。国土交通省は、空き家の発生原因は半分以上が相続によるものだとしています。住まいを将来どうしてほしいかを書き残せる「住まいのエンディングノート」(国土交通省が日本司法書士会連合会・全国空き家対策推進協議会と共同で作成、令和6年6月公表)を、話し合いのきっかけに使うこともできます。
出典:国土交通省「空き家対策 特設サイト」(新しいタブで開きます)/国土交通省「住まいのエンディングノート」(新しいタブで開きます)(いずれも2026年10月25日確認)
片付ける順番の例です。
- 親と話し合う:片付ける理由(安全のため、住み替えのため など)と、片付ける部屋・期限を決めます。
- 書類と貴重品を探す:通帳・印鑑・権利証・保険証券・年金の書類・契約書などを先に見つけ、置き場所を決めます。
- 使っていない場所から始める:物置・押し入れ・使っていない部屋など、親の毎日の生活に影響が少ない場所から手を付けます。
- 大きな家具・家電は最後に:粗大ごみの申込みや家電4品目の手続きは、日程に余裕を持って進めます。
片付けの手順(全体把握→仕分け→処分)
1. 全体を把握する
部屋ごとに、物の量、大きな家具・家電、危ない物(電池・スプレー缶・灯油など)を確かめます。環境省は、リチウムイオン電池やそれを使った製品は、家庭から出る場合は市区町村のごみ捨てのルールに従って捨てるよう案内し、廃棄物処理施設などで火災等が発生しているとしています(環境省「リチウムイオン電池関係」(新しいタブで開きます)、2026年10月25日確認)。
2. 仕分ける
「親が使う」「残す(家族が引き取る)」「譲る・売る」「処分する」に分けます。思い出の品や判断に迷う物は、親が決めるまで処分しない箱にまとめておきます。
3. 処分する(実家のある市区町村のルールで)
実家のごみは、実家のある市区町村の分別と出し方に従います。一度に多く出るごみの扱いは自治体によって違います。
| 自治体 | 一度に多く出るごみの扱い | 業者に頼む場合 |
|---|---|---|
| 札幌市 | ごみステーションには400リットル(40リットルの袋で10袋)以下の量を計画的に出すよう呼びかけ。市の処理施設に有料で搬入することもできる(重量で手数料) | (一財)札幌市環境事業公社以外の無許可業者に収集運搬を依頼することはできないと案内(申込み:011-219-5353) |
| 名古屋市 | 分別して通常の収集日に出すほか、焼却工場などの処理施設へ自己搬入できる(10キログラムごとに270円) | 市の許可業者に有料で依頼。区ごとの許可業者のリストがあり、室内の整理から頼める業者、ごみ置き場からの運搬のみの業者など対応範囲が違う |
| 大阪市 | 家庭の引越しや大掃除などで一時的に多量に出されるごみは、粗大ごみとして収集(事前申込・有料。粗大ごみ収集受付センター:固定電話 0120-79-0053、携帯電話・スマートフォン 06-6530-1530、月〜土の9時〜17時) | 大阪市一般廃棄物収集運搬業許可業者へ依頼する方法がある |
出典:札幌市「引越しや遺品の整理などで一時的に多量に出るごみの処理について」(新しいタブで開きます)(2018年10月5日更新)/名古屋市「一時多量ごみの処理」(新しいタブで開きます)(2026年10月1日更新)/大阪市「粗大ごみの収集について」(新しいタブで開きます)(2026年6月2日)(いずれも2026年10月25日確認)
ほかの市区町村の申込先や持込施設は地域のページで確認できます。エアコン・テレビ・冷蔵庫/冷凍庫・洗濯機/衣類乾燥機は粗大ごみではなく家電リサイクル法の手続きになります(家電4品目の処分方法)。
親とのトラブルを防ぐコツ
- 本人の同意を得てから進める:実家は親の住まいです。片付ける範囲と、捨てる物を親と一緒に決めます。
- 残す物を先に決める:国民生活センターは、亡くなった父親の家の不用品の処分を事業者に頼んだところ、大切な書類等は残しておく約束だったのに、アルバムや回線のつながっている電話機まで処分され、ゴミ処理場に運搬済みで取り戻せないと言われたという相談事例を紹介しています。残す物と処分する物を明確に分け、作業にはできるだけ立ち会います。
- 「捨てる」以外の行き先も用意する:家族が引き取る、譲る、買取に出すなどの選択肢があると、親が手放すことを決めやすくなる場合があります。
- 一度に全部やろうとしない:帰省のたびに1部屋ずつなど、親の体力と生活に合わせて進めます。
- 見積もりと契約には家族も同席する:業者に頼む場合は、親と一緒に書面の見積もりと契約の内容を確かめます。
- 判断が心配なとき:契約や手続きを親ひとりで決めることが心配な場合は、厚生労働省の「成年後見はやわかり」で、成年後見制度と権利擁護支援の相談窓口が案内されています。
出典:国民生活センター 見守り新鮮情報 第525号(2025年10月30日)(新しいタブで開きます)/厚生労働省「成年後見はやわかり」(新しいタブで開きます)(いずれも2026年10月25日確認)
親が片付けを望まない、物がたまって生活に支障が出ているといった場合は、本人の同意と福祉の支援について説明したゴミ屋敷の片付けも参考にしてください。
自分でやる?業者に頼む?(費用と負担の比較)
| 方法 | 費用 | 申込・日時 | 運び出し | 向いている場合 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|---|
| 自治体の収集・粗大ごみ | ふだんのごみは自治体のルールどおり。粗大ごみの手数料は自治体ごとに違う | 収集日に合わせて出す(粗大ごみは申込時の案内で確認) | 自治体の出し方に従って自分で出す | 実家の近くに住み、何回かに分けて出せる | 遠方の実家では帰省の回数が増える。一度に出せる量に目安がある自治体もある |
| 処理施設への持ち込み | 自治体の手数料(例:名古屋市は10キログラムごとに270円、札幌市は重量に応じた手数料) | 施設の受付日・条件を自治体の案内で確認 | 車と人手で、分別して自分で運ぶ | 車と人手があり、量が多い | 受け入れる物と条件は自治体ごとに違う |
| 買取・リユース | 無料〜買取額を受け取れる場合も | 店・業者と相談 | 店・業者による | 値段が付きそうな物がある | 値段が付かない物は引き取られないことがある。買い取る業者には古物商の許可が必要 |
| 業者に頼む | 業者の見積もり(量と作業で変わる。公式サイトの料金表示は表の下) | 業者と日時を相談 | 室内からの運び出しを頼める業者もある(対応範囲は業者ごと。名古屋市の許可業者のリストの例) | 遠方で通えない・量が多い・大きな家具を運べない | 作業する市区町村の許可(または委託)と書面の見積もりの確認が必要 |
業者の料金の表示(税込)は、軽トラック1台分(1K前後)9,800円〜19,800円(7サイト)、1DK前後(1〜2tトラック)33,000円〜34,800円(5サイト)、2tトラック1台分(2DK前後)34,800円〜69,800円(6サイト)でした。業者の料金は、当サイトが不用品回収業者の公式サイトの料金表示を調べたものです(調査日:2026年10月22日。集計した表示は2026年10月25日に各公式サイトで再確認)。多くは「〜」付きの下限の表示で、仕分けの作業や家電4品目のリサイクル料金を含むかは業者ごとに違います。調べた業者は当サイトの掲載業者ではなく、推奨でもありません。詳しくは不用品回収の料金相場をご覧ください。
出典:名古屋市「一時多量ごみの処理」(新しいタブで開きます)/札幌市「引越しや遺品の整理などで一時的に多量に出るごみの処理について」(新しいタブで開きます)(いずれも2026年10月25日確認)
家族で進める場合も、全部を自分たちでやるか、全部を業者に頼むかの二択ではありません。書類や残す物の仕分けは家族で行い、大きな家具の運び出しだけを頼むなど、組み合わせると業者に頼む量を減らせます。片付けの費用を誰が負担するかは家族で話し合って決め、相続が関わる場合は専門家に相談してください。
実家の片付け業者を比べるときの確認点
掲載業者について
当サイトは、家庭の不用品を回収できる許可(または市区町村の委託)を確認できた業者だけを掲載します。2026年10月31日現在、掲載基準を満たす業者は0社のため、このページには業者の比較表を置いていません。掲載の条件は評価基準と掲載基準をご覧ください。業者に頼むときは、業者の選び方(依頼前のチェックポイント)の順に確かめてください。
国民生活センターによると、不用品回収サービスに関する相談は、2018年度1,354件、2019年度1,457件、2020年度1,788件、2021年度2,231件でした。広告で「軽トラックパック7,000円、2トントラックパック2万5,000円」と見て依頼したのに、積み込みが終わると料金は25万円だと言われた事例も公表されています。国民生活センターは、市区町村以外に不用品の処分を頼む場合は一般廃棄物処理業者に依頼すること、見積もりの際に追加料金の有無や作業内容と料金、キャンセル料を確認すること、事前の見積もりと異なる高額な料金を請求されたら支払いを断ることを呼びかけています。
出典:国民生活センター「不用品回収サービスのトラブル」(2022年11月2日公表)(新しいタブで開きます)(2026年10月25日確認)
実家の片付けを業者に頼むときは、実家のある市区町村の許可(または委託)を確かめます。許可は市区町村ごとに出されるため、業者の所在地ではなく、作業する場所の許可かどうかが大切です(不用品回収に必要な許可と確認方法)。
- 家庭の不用品を回収できる許可(市区町村の一般廃棄物収集運搬業許可)か、市区町村の委託を受けているか。許可の自治体名と番号を聞く
- 見積もりは作業前に書面(メール等)でもらい、追加料金が発生する条件を確認する
- 「無料回収」「積み放題」は、無料・定額になる条件と対象外の品物を確認する
- 家電4品目(エアコン・テレビ・冷蔵庫/冷凍庫・洗濯機/衣類乾燥機)のリサイクル料金と運搬料金の扱いを確認する
- 買取がある場合は、買取額と処分費を分けた明細をもらう
- キャンセル料・支払方法・作業日時を確認する
トラブルの相談先:消費者ホットライン「188」(最寄りの消費生活センター等につながります)
片付けた後(空き家・売却・実家じまい)
親が施設に移るなどして、実家に誰も住まなくなる場合は、家をどうするかを早めに家族で考えます。国土交通省は、当面のあいだ除却(解体)や活用ができない場合は、空き家を適切に管理するよう呼びかけ、迷ったときは空き家のある市区町村の窓口や不動産事業者などの専門家に相談するよう案内しています。
- 管理する:庭木の手入れや換気を定期的に行います。放置すると老朽化やカビで破損・倒壊のおそれが高まり、近隣とのトラブルにもつながるとされています。
- 売る・貸す:自治体の空き家バンクに登録する方法や、相続した空き家を売ったときの税の特例があります(空き家の片付けた後の選択肢)。
- 相続したとき:不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に相続登記をすることが、令和6年4月1日から法律上の義務になりました(法務省)。
出典:国土交通省「空き家対策 特設サイト」(新しいタブで開きます)/法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」(新しいタブで開きます)(いずれも2026年10月25日確認)
誰も住まなくなった実家の家財の片付け方と、売却・解体・補助金の調べ方は空き家の片付けで説明しています。
次にすること(実家のある地域で確かめる)
実家の片付けは、親と話し合って進め方を決めてから、実家のある市区町村の出し方で処分します。
- 何から始めるか:実家の片付けはいつ・何から始める?
- 親とのトラブルを防ぐ:親とのトラブルを防ぐコツ
- 契約や請求で困ったとき:消費者ホットライン「188」
よくある質問
親が実家の片付けに反対しています。どうすればいいですか?
実家は親の住まいなので、本人の同意を得て進めることが前提です。片付ける理由(安全のため など)と範囲を話し合い、親が使っていない場所から少しずつ始める、残す物を親に決めてもらう、といった進め方があります。物がたまって生活に支障が出ている場合は、市区町村の窓口にも相談できます(ゴミ屋敷の片付け)。
遠方の実家の片付けで出たごみは、どこに出せばいいですか?
実家のある市区町村の分別と出し方に従います。収集日に合わせて帰省できない場合は、処理施設への持ち込み(名古屋市・札幌市など)や、その市区町村の許可業者への依頼を考えます。札幌市のように、家庭のごみの収集運搬を頼める相手を限っている自治体もあるため、依頼する前に実家のある市区町村の案内を確かめてください。
実家の片付けを業者に頼むと、いくらかかりますか?
公的な統計がないため、決まった相場はありません。当サイトが調べた不用品回収業者の公式サイトの料金表示(税込)では、軽トラック1台分(1K前後)が9,800円〜19,800円(7サイト)、2tトラック1台分(2DK前後)が34,800円〜69,800円(6サイト)でした(調査日:2026年10月22日。集計した表示は2026年10月25日に各公式サイトで再確認)。一軒家の量や仕分けの作業によって変わるため、現地を見たうえでの書面の見積もりを2社以上から取ってください。