生前整理の進め方(何から始めるか・書類とデジタルの整理・業者に頼む場合)

最終更新:運営:株式会社リヤン(運営者情報)出典の確認日:2026年10月25日

結論:生前整理で最初にやることは、物を捨てることより先に、残したい物と家族に伝えたい情報を書き出すことです。通帳・保険・契約書類の置き場所、スマホやパソコンのロックの解除方法と、ネット上のサービス名・ID(国民生活センターが事前の対策として呼びかけ)、住まいを将来どうしてほしいか(国土交通省の「住まいのエンディングノート」)などを整理します。物の処分は、お住まいの市区町村の分別や粗大ごみで少しずつ進め、まとめて業者に頼む場合は、費用に公的な相場がないため書面の見積もりと市区町村の許可(または委託)を確認します。

お住まいの市区町村での出し方・相談先は、地域から探すで確かめられます。

このページでは、本人が元気なうちに、自分の持ち物や情報を整理して家族に伝えておくことを「生前整理」と呼んでいます。亡くなった方の持ち物を家族が整理する場合は遺品整理業者の選び方をご覧ください。

生前整理とは(遺品整理・終活との違い)

生前整理・遺品整理・終活は、誰が・いつ行うかで分けると違いが分かりやすくなります。

生前整理・遺品整理・終活の違い
ことば誰が・いつ主な内容このサイトの関連ページ
生前整理本人が、元気なうちに持ち物の整理と処分、書類・デジタルの契約の整理、家族への伝え方このページ
遺品整理家族などが、本人が亡くなった後に遺品を残す物と処分する物に分け、運び出す。相続の手続きに関わる物の扱いに注意が必要遺品整理業者の選び方
終活本人が、元気なうちに持ち物の整理に加え、緊急連絡先、かかりつけ医、葬儀やお墓、遺言書の保管場所など、亡くなった後や判断が難しくなったときに備える準備全般―

自治体が終活を支援している例もあります。内閣府の令和6年版高齢社会白書は、神奈川県横須賀市の「わたしの終活登録」事業(平成30年度開始)を紹介しています。緊急連絡先、かかりつけ医、葬儀等の生前契約先、リビングウィル、遺言書等の保管場所、墓の所在地などを登録でき、令和6年3月末時点の累計登録者総数は826人です。同じような制度があるかは、お住まいの市区町村に確かめてください。

出典:内閣府「令和6年版高齢社会白書」事例4 神奈川県横須賀市(新しいタブで開きます)(2026年10月25日確認)

生前整理は何から始める?(進め方・手順)

一度に全部を片付けようとせず、情報の整理から始めて、物の処分は少しずつ進めます。

  1. 伝えたい情報を書き出す:エンディングノートなどに、緊急連絡先、通帳・保険・年金・契約書類の置き場所、住まいの希望などを書きます。国民生活センターも、デジタルの契約に備える方法としてエンディングノートの活用を挙げています。
  2. 書類と貴重品の置き場所をまとめる:家族が探す物(通帳・印鑑・権利証・保険証券など)を1か所にまとめ、その場所を伝えます。
  3. スマホ・パソコンの中を整理する:使っているサービスと契約を一覧にします(書類・個人情報・デジタル遺品の整理)。
  4. 物を分ける:「使う」「残して家族に伝える」「譲る・売る」「処分する」に分けます。迷う物は期限を決めて箱に入れておきます。
  5. 少しずつ処分する:ふだんのごみと粗大ごみは、お住まいの市区町村のルールで出します。粗大ごみの申込先や手数料の調べ方は地域のページで確認できます。エアコン・テレビ・冷蔵庫/冷凍庫・洗濯機/衣類乾燥機は家電リサイクル法の対象です(家電4品目の処分方法)。
  6. 家族に伝える:書き出した内容と、残した物の場所を家族と共有します。

出典:国民生活センター「今から考えておきたい『デジタル終活』」(2024年11月20日公表)(新しいタブで開きます)(2026年10月25日確認)

一度に多くのごみが出るときの扱いは自治体で違います。たとえば大阪市は、家庭の引越しや大掃除などで一時的に多量に出されるごみを粗大ごみとして(事前申込・有料で)収集し、名古屋市は処理施設への自己搬入(10キログラムごとに270円)や市の許可業者への依頼を案内しています(大阪市「粗大ごみの収集について」(新しいタブで開きます)・2026年6月2日/名古屋市「一時多量ごみの処理」(新しいタブで開きます)・2026年10月1日更新、いずれも2026年10月25日確認)。

生前整理を始める時期とメリット

生前整理を始める時期に決まりはありません。物の量が多い家や、ひとり暮らしの方、住まいの今後を家族とまだ話していない方は、体力と時間に余裕のあるうちに情報の整理から始めると、少しずつ進められます。

公的機関の資料では、本人が亡くなった後や住まいを引き継ぐときに、次のような課題が示されています。

  • スマホの中の契約:国民生活センターは、消費生活センター等に寄せられた相談事例として、故人が使っていたネット銀行の手続きをしたくてもスマホが開けず契約先が分からない、故人が契約したサブスクの請求を止めたいがIDとパスワードが分からない、コード決済サービスの相続手続きが1カ月以上たっても終わらない、といった例を紹介しています。
  • 住まいの今後:国土交通省は、空き家の発生原因は半分以上が相続によるものとし、使用目的のない空き家は平成15年の212万戸から令和5年の386万戸へ20年間でおよそ2倍に増えたとしています。住まいをどうしてほしいかを書き残す「住まいのエンディングノート」を、日本司法書士会連合会・全国空き家対策推進協議会と共同で作成しています(令和6年6月公表)。
  • 終活の情報の登録:横須賀市の「わたしの終活登録」のように、本人が倒れたときや亡くなったときに備えて情報を登録できる自治体の制度もあります(生前整理とは)。

出典:国民生活センター「今から考えておきたい『デジタル終活』」(2024年11月20日公表)(新しいタブで開きます)/国土交通省「空き家対策 特設サイト」(新しいタブで開きます)/国土交通省「住まいのエンディングノート」(新しいタブで開きます)(いずれも2026年10月25日確認)

書類・個人情報・デジタル遺品の整理

生前整理で整理しておく書類と情報
整理するものやっておくこと出典
スマホ・パソコン万が一の際に家族がロックを解除できるようにしておく。自分に何かあったときに備えて、スマホ等のアカウントにアクセスできる人を指名できるサービスを活用する国民生活センター(2024年11月20日)(新しいタブで開きます)
ネット上の資産・サブスクネット銀行・コード決済・サブスクなどの契約は、サービス名・ID・パスワードを整理しておく国民生活センター(2024年11月20日)(新しいタブで開きます)
遺言書自筆証書遺言は、法務局(遺言書保管所)に保管を申請できる制度がある。遺言者の死亡後に、遺言者が指定する人に遺言書が保管されていることを知らせる「指定者通知」の対象範囲等が、令和5年10月2日に拡大された法務省「自筆証書遺言書保管制度」(新しいタブで開きます)
住まい(不動産)住まいに関する情報と、将来住まいをどうしてほしいかを書き残す。「住まいのエンディングノート」には、住まいの将来を考える際や相続時に参考となる制度・手続・相談先も載っている国土交通省「住まいのエンディングノート」(新しいタブで開きます)
通帳・保険・契約書類置き場所をまとめて家族に伝える。処分してよい書類かどうか迷うものは、すぐに捨てずに残しておく―

いずれも2026年10月25日に確認。遺言書の検認や相続放棄など、亡くなった後の手続きに関わる物の扱いは遺品整理で捨ててはいけないもので説明しています。財産の分け方や遺言の内容は事情によって異なるため、弁護士・司法書士・税理士などの専門家に相談してください。

パスワードを書き残すときは、第三者に知られないよう保管場所に注意します。個人情報が書かれた書類やパソコン・スマホを処分するときは、中身を確かめてから、自治体の分別や販売店・メーカーの回収の案内に従って出してください(パソコンの出し方はパソコンの処分方法)。

業者に頼むときの確認点(料金の決まり方・許可)

公的機関が公表した生前整理の費用の統計は確認できなかったため、このページでは間取りごとの金額の目安を載せていません。総務省の調査報告(2020年3月)は、遺品整理サービスについて、料金に公定や公認の仕組みは存在せず、依頼しようとする人の立場からは料金相場の見当をつけるのは容易ではないのではないかとしています。生前整理を頼む場合も、作業の範囲(仕分け・搬出・清掃・買取)で金額が変わるため、作業前の書面の見積もりで確認します。

参考として、当サイトが調べた不用品回収業者の公式サイトの料金表示(税込)では、軽トラック1台分(1K前後)が9,800円〜19,800円(7サイト)、2tトラック1台分(2DK前後)が34,800円〜69,800円(6サイト)でした(調査日:2026年10月22日。集計した表示は2026年10月25日に各公式サイトで再確認。多くは「〜」付きの下限で、仕分けの作業は含まれない場合があります。調べた業者は当サイトの掲載業者ではなく、推奨でもありません。不用品回収の料金相場)。

出典:総務省行政評価局「遺品整理のサービスをめぐる現状に関する調査結果報告書」(令和2年3月、PDF)(新しいタブで開きます)(2026年10月25日確認)

業者を選ぶときは、次の点を確かめます。

  • 運ぶ許可:不用品を廃棄物として収集・運搬する事業者は、市町村の委託業者か、一般廃棄物処理業の許可を受けている必要があります。許可の有無は市町村の窓口で確認できます(許可の確認方法)。
  • 買取の許可:品物を買い取る事業者には古物商の許可が必要です。
  • 見積もりと契約:複数の事業者から見積もりを取り、作業日・作業内容・料金・支払方法・解約料を契約の前に確認します。
  • 立会い:残す物と処分する物を明確に分け、作業にはできるだけ立ち会います。

出典:国民生活センター 見守り新鮮情報 第525号(2025年10月30日)(新しいタブで開きます)(2026年10月25日確認)

総務省の調査報告では、高齢者向けの冊子の中で「生前整理・遺品整理」を行う事業者を載せている自治体の例も紹介されています。自治体の冊子に載っている場合も、運ぶ業者の許可と見積書は自分で確かめてください。

生前整理業者を比べるときの確認点(運ぶ許可・買取の許可・見積書・立会い)

掲載業者について

当サイトは、家庭の不用品を回収できる許可(または市区町村の委託)を確認できた業者だけを掲載します。2026年10月31日現在、掲載基準を満たす業者は0社のため、このページには業者の比較表を置いていません。掲載の条件は評価基準と掲載基準をご覧ください。業者に頼むときは、業者の選び方(依頼前のチェックポイント)の順に確かめてください。

生前整理と遺品整理は、業者に頼むときに確かめること(運ぶ許可・買取の許可・見積書・立会い)が共通しています。確認点の詳細と、国民生活センターが公表したトラブル例は遺品整理業者の選び方にまとめています。買取を同時に頼むときの注意は買取もできる不用品回収業者の選び方をご覧ください。

  • 家庭の不用品を回収できる許可(市区町村の一般廃棄物収集運搬業許可)か、市区町村の委託を受けているか。許可の自治体名と番号を聞く
  • 見積もりは作業前に書面(メール等)でもらい、追加料金が発生する条件を確認する
  • 「無料回収」「積み放題」は、無料・定額になる条件と対象外の品物を確認する
  • 家電4品目(エアコン・テレビ・冷蔵庫/冷凍庫・洗濯機/衣類乾燥機)のリサイクル料金と運搬料金の扱いを確認する
  • 買取がある場合は、買取額と処分費を分けた明細をもらう
  • キャンセル料・支払方法・作業日時を確認する

トラブルの相談先:消費者ホットライン「188」(最寄りの消費生活センター等につながります)

家庭のごみを業者に頼むときの扱いは市区町村ごとに違います。地域のページで、お住まいの自治体の案内を確認してください。

地域のページで出し方と業者の確かめ方を見る

よくある質問

生前整理と遺品整理は何が違いますか?

生前整理は本人が元気なうちに自分の持ち物や情報を整理すること、遺品整理は本人が亡くなった後に家族などが遺品を整理することです。遺品整理では、遺言書や相続の手続きに関わる物の扱いに注意が必要です(遺品整理業者の選び方)。

スマホの中の情報は、どう残しておけばいいですか?

国民生活センターは、万が一の際に家族がスマホやパソコンのロックを解除できるようにしておくこと、ネット上の資産やサブスクの契約はサービス名・ID・パスワードを整理しておくこと、エンディングノートの活用、スマホ等のアカウントにアクセスできる人を指名できるサービスの活用を呼びかけています。

エンディングノートには何を書けばいいですか?

書く項目は、作成している団体や自治体によって違います。国土交通省の「住まいのエンディングノート」は住まいの情報と将来住まいをどうしてほしいかを書き残すためのもの、横須賀市の「わたしの終活登録」では緊急連絡先・かかりつけ医・葬儀等の生前契約先・遺言書等の保管場所・墓の所在地などを登録できます。こうした項目を参考に、家族が困りそうなことから書いてください。

次にすること(処分する物の出し方を確かめる)

生前整理で処分する物は、お住まいの市区町村の出し方で出します。業者に頼むときは、運ぶ許可・買取の許可・書面の見積もりを確かめます。

地域のページで出し方と業者の確かめ方を見る