法人・オフィスの不用品処分(オフィス家具・産業廃棄物の扱いと業者選び)
結論:会社や店舗の不用品は、事業活動に伴う廃棄物として事業者が自らの責任で処理します(排出事業者責任)。金属やプラスチックのオフィス机・椅子などを産業廃棄物と案内している自治体があり(札幌市)、産業廃棄物の運搬は都道府県知事等の許可を受けた産業廃棄物収集運搬業者に書面の契約で委託し、引き渡すときにマニフェスト(産業廃棄物管理票)を交付します。紙くず・木くずなどの事業系一般廃棄物は、市区町村の許可業者に頼みます。
オフィス家具の処分方法(産業廃棄物としての扱い・3つの方法)
廃棄物処理法では、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃え殻・汚泥・廃油・廃酸・廃アルカリ・廃プラスチック類など法令で定める20種類が産業廃棄物で、それ以外が一般廃棄物です。環境省の資料では、廃プラスチック類・金属くず・ガラスくずなどはあらゆる事業活動に伴うものが産業廃棄物とされ、紙くず・木くず・繊維くずは建設業や家具製造業など特定の業種から出たものに限って産業廃棄物とされています。事業者は、出す廃棄物が一般廃棄物か産業廃棄物か、どの種類にあたるかを把握して分別することが求められます。
出典:環境省「排出事業者責任に基づく措置に係るチェックリスト」(平成29年6月・令和5年3月一部改訂、PDF)(新しいタブで開きます) 2-1/札幌市「事業所から出るごみ」(新しいタブで開きます)(2026年8月17日更新)(いずれも2026年10月25日確認)
オフィスから出る物の区分は、札幌市が次のように案内しています。
| 物の例 | 区分 | 運搬を頼む先 |
|---|---|---|
| オフィス机・椅子など金属またはプラスチックの製品 | 産業廃棄物 | 産業廃棄物の許可を持つ業者 |
| OA機器・電子レンジなど | 産業廃棄物 | 産業廃棄物の許可を持つ業者 |
| 紙くず・木くずなど | 事業系一般廃棄物 | 事業系一般廃棄物の収集運搬業者((一財)札幌市環境事業公社) |
出典:札幌市コールセンター よくある質問 No.407「事業所(会社・店舗・事務所など)のごみはどのように処理したらよいのでしょうか?」(新しいタブで開きます)(2026年10月25日確認)
区分の細かな扱いは自治体によって異なることがあります。事業系一般廃棄物は事業所のある市区町村、産業廃棄物は都道府県等の案内を確認してください。
処分の方法は、主に次の3つです。
- 許可業者に委託する:産業廃棄物は、運搬を産業廃棄物収集運搬業者に、処分を産業廃棄物処分業者に、それぞれ書面の契約で委託します。事業系一般廃棄物は、市区町村の許可業者に頼みます(下の業者選び)。
- 買取・リユースに出す:値段が付く物は、古物商許可を持つ業者の買取を検討します(下の買取の確認点)。
- 自社で運ぶ:自ら運搬・処分する場合は、産業廃棄物処理基準に従います。
家庭の粗大ごみには出せない例
札幌市は、事業系廃棄物を市では収集しておらず、少量でも家庭用のごみステーションや大型ごみ収集センターは利用できないと案内しています。事業ごみは、事業者の責任と経費負担で、市や北海道の許可を持つ廃棄物収集運搬業者と契約するなどして処理するよう求めています。
出典:札幌市「事業所から出るごみ」(新しいタブで開きます)/札幌市コールセンター No.407(新しいタブで開きます)(いずれも2026年10月25日確認)
処分費用の考え方(品目別の単価の調べ方)
オフィス家具の処分費用について、公的機関が公表した品目別の単価は確認できなかったため、このページでは金額の目安を載せていません。費用は、品目と数量、産業廃棄物の種類、運搬の距離や搬出の条件などで変わるため、複数の業者から同じ条件で見積もりを取って比べます。
環境省の資料は、処理料金の安さだけで委託先を選ばないよう求めています。地域における産業廃棄物の一般的な処理料金の半値程度かそれを下回る料金で委託している場合、その料金に合理性があることを示せなければ、適正な対価を負担していないことになるとしています。また、合理的な理由なく、適正な処理料金かどうかを把握する措置(複数の処理業者から見積もりを取る、委託する産業廃棄物と同種の事業系一般廃棄物の市町村での処理料金を確認するなど)を講じていない場合も、措置命令の対象になる可能性があるとしています。
出典:環境省「排出事業者責任に基づく措置に係るチェックリスト」(PDF)(新しいタブで開きます) 2-4(2026年10月25日確認)
買取できるオフィス家具と条件
どの品物に値段が付くかは業者や時期によって違うため、写真や現地での査定で確認します。買取を頼むときは、次の点を確認してください。
- 古物商許可:中古品の買取には、都道府県公安委員会の古物商許可が必要です。
- 買取と処分を分けた明細:買い取る物と買取額、処分する物と処分費を、見積書で分けてもらいます。
- 「買取」と処分の境目:環境省の資料は、廃棄物にあたるかどうかを、物の性状・排出の状況・通常の取扱い形態・取引価値の有無・占有者の意思などから総合的に判断するとしています。取引価値の判断では、名目を問わず処理料金に相当する金品の受領がないことなどを確認するとしています。運搬費などの名目で費用を払う「買取」は、処分の委託にあたらないか、許可もあわせて確認します。
- リース・レンタル品:処分や売却の前に、契約先に返却の方法を確認します。
出典:環境省「排出事業者責任に基づく措置に係るチェックリスト」(PDF)(新しいタブで開きます) 参考「廃棄物該当性について」(2026年10月25日確認)
古物商許可と訪問購入のルールは買取もできる不用品回収で説明しています。
業者選び(産業廃棄物収集運搬業の許可・委託契約・マニフェスト)
許可の種類
| 区分 | 委託先に必要な許可 | 許可を出すところ | 確認すること |
|---|---|---|---|
| 産業廃棄物の運搬 | 産業廃棄物収集運搬業 | 都道府県知事(政令で定める市の長を含む) | 許可証の写しで、委託する産業廃棄物の種類が事業の範囲に含まれているか |
| 産業廃棄物の処分 | 産業廃棄物処分業 | 都道府県知事(政令で定める市の長を含む) | 処分の場所・方法・施設の処理能力 |
| 事業系一般廃棄物 | 一般廃棄物収集運搬業 | 市町村長 | 許可の範囲と、事業所のある市区町村の運用 |
| 買取 | 古物商 | 都道府県公安委員会 | 許可番号 |
出典:環境省「排出事業者責任に基づく措置に係るチェックリスト」(PDF)(新しいタブで開きます) 1-2・2-2・2-4/廃棄物の処理及び清掃に関する法律(新しいタブで開きます) 第7条・第12条・第14条(いずれも2026年10月25日確認)。古物商許可については買取もできる不用品回収を参照。
事業系一般廃棄物について、環境省の資料は、排出事業者は市町村の統括的な処理責任のもとで、市町村の一般廃棄物処理計画に従って処理に協力し、指示を受けることとされ、具体的な処理方法は事業活動を行う区域の市町村の運用に留意する必要があるとしています。たとえば札幌市は、事業系一般廃棄物について、原則として事業系一般廃棄物収集運搬業許可業者である(一財)札幌市環境事業公社と契約する必要があると案内しています。
出典:札幌市「オフィス・店舗向け事業ごみ分別・処理ガイドブック」(新しいタブで開きます)(2026年10月23日更新・2026年10月25日確認)
許可のない者に委託すると、委託した事業者も罰則の対象になります。廃棄物処理法は、事業者が自らの事業系一般廃棄物や産業廃棄物の運搬・処分を他人に委託するときは、許可を受けた収集運搬業者・処分業者など法令で定める者に委託するよう定めており(第6条の2第8項・第12条第5項)、これに違反して委託した者を、5年以下の拘禁刑か1,000万円以下の罰金、またはその両方に処すとしています(第25条第1項第6号)。委託する前に、許可証の写しで許可の種類と範囲を確かめてください。
出典:廃棄物の処理及び清掃に関する法律(新しいタブで開きます) 第6条の2第8項・第12条第5項・第25条第1項第6号(2026年10月26日確認)
委託契約(委託基準)
- 運搬は産業廃棄物収集運搬業者と、処分は産業廃棄物処分業者と、それぞれ直接契約します。
- 契約は書面で行い、委託する産業廃棄物の種類と数量、運搬の最終目的地、処分の場所と方法、契約の有効期間、支払う料金、受託者の事業の範囲などを記載し、許可証の写しなどを添付します。
- 委託する廃棄物の種類・数量、料金、契約の有効期間などの根幹的な内容は、排出事業者と処理業者の間で決めるもので、あっせんや仲介をする者に決定を委ねるべきではないとされています。
- 委託契約書などは保存が必要です。委託した後も、処理の状況を確認し、最終処分まで適正に処理されるよう必要な措置を講じるよう努めることとされています。
マニフェスト(産業廃棄物管理票)
- 産業廃棄物を引き渡すときに、種類ごと・運搬先ごとに紙のマニフェストを交付するか、電子マニフェストに登録します。電子マニフェストは、引き渡した後3日以内に情報処理センターへの登録が必要です。
- 紙のマニフェストを交付した事業者は、交付した管理票の写しを交付した日から5年間保存します。運搬や処分が終わった旨の写しも、送付を受けた日から5年間保存します。
- 交付の日から90日以内(特別管理産業廃棄物は60日以内)に運搬・処分が終わった旨の写しが、180日以内に最終処分が終わった旨の写しが届かない場合などは、処理の状況を把握して必要な措置を講じ、期限内に都道府県知事に報告します。
- 紙のマニフェストを交付した事業者は、産業廃棄物管理票交付等状況報告書を都道府県知事に提出します。電子マニフェストでは、写しの保存と報告書の提出を情報処理センターが代行します。
- 古紙・くず鉄・あきびん類・古繊維など、もっぱら再生利用の目的となる産業廃棄物だけを扱う業者に委託する場合は、マニフェストを交付する義務はありませんが、委託基準は守る必要があります。
出典:環境省「排出事業者責任に基づく措置に係るチェックリスト」(PDF)(新しいタブで開きます) 2-4〜2-6・3-3/環境省「オンライン利用率引上げの基本計画(産業廃棄物のマニフェスト制度)」(PDF)(新しいタブで開きます)/廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(新しいタブで開きます) 第8条の21の2・第8条の26(いずれも2026年10月25日確認)
委託先を比べるときの確認点(許可証の写し・優良認定)
掲載業者について
当サイトは、家庭の不用品を回収できる許可(または市区町村の委託)を確認できた業者だけを掲載します。2026年10月31日現在、掲載業者は0社で、掲載基準を満たす業者を確認中です。産業廃棄物の許可を確認した法人向けの比較は行っていません。掲載の条件は評価基準と掲載基準をご覧ください。業者に頼むときは、業者の選び方(依頼前のチェックポイント)の順に確かめてください。
委託先の許可の内容は、許可証の写しで確認します。委託先を選ぶときは、優良産廃処理業者認定制度で認定を受けた業者かどうかを考慮することも、排出事業者責任を果たすうえで重要とされています(環境省のチェックリスト 2-4)。
オフィス移転・退去時の進め方
- 処分する物のリストを作る:品目・数量・材質(金属・プラスチック・木製など)を書き出します。
- 行き先を分ける:買取に出す物、リース・レンタルで返却する物、産業廃棄物、事業系一般廃棄物に分けます。
- 見積もりと許可の確認:複数の業者から見積もりを取り、許可証の写しで、委託する廃棄物の種類が事業の範囲に含まれているかを確認します。
- 書面で契約する:産業廃棄物は運搬と処分それぞれの業者と契約します。
- 搬出の日:産業廃棄物を引き渡すときに、マニフェストを交付(または電子マニフェストに登録)します。
- 終わった後:処理が終わった旨の写し(電子マニフェストでは通知)で終了を確認し、写しを保存します。
賃貸住宅の退去後に残された物
札幌市は、アパートなどの賃貸住宅で入居者が退去した後に残されたごみを家主や管理会社が処理する場合は「事業ごみ」になると案内しています。
出典:札幌市「引越しや遺品の整理などで一時的に多量に出るごみの処理について」(新しいタブで開きます)(2018年10月5日更新・2026年10月25日確認)
よくある質問
会社の机や椅子を家庭の粗大ごみに出せますか?
事業活動に伴って出た物は事業ごみで、家庭のごみとは処理のルートが別です。たとえば札幌市は、事業系廃棄物を市では収集しておらず、少量でも家庭用のごみステーションや大型ごみ収集センターは利用できないとしています。事業所のある自治体の案内を確認してください。
家庭向けの不用品回収業者にオフィスの片付けを頼めますか?
頼む物の区分によって、必要な許可が変わります。産業廃棄物は産業廃棄物収集運搬業の許可(都道府県知事等)で、委託する廃棄物の種類が許可の範囲に含まれている必要があります。事業系一般廃棄物は市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可で、許可の範囲と運用は事業所のある市区町村の案内で確認します。許可証の写しで確認してください。
マニフェストはいつまで保存すればいいですか?
紙のマニフェストは、交付した写しを交付した日から5年間、処理が終わった旨の写しを送付を受けた日から5年間保存します(廃棄物処理法 第12条の3第2項・第6項、同法施行規則 第8条の21の2・第8条の26)。電子マニフェストは情報処理センターが保存を代行します。
次にすること(許可と見積書の確認)
委託する物の区分(産業廃棄物か、事業系一般廃棄物か)を分けたら、委託先の許可の種類と範囲を許可証の写しで確かめ、書面の見積もりを比べます。
見積書の確認点は不用品回収の見積もり、家庭の片付けを頼む場合は片付け業者の選び方へ。